千羽鶴プロジェクトについて。

A Thousand Cranes 御存知の方も多いかと思われますが、2004年の5月、ザ・ヴェルヴェット・ティーンの前ドラマーであるローガン・ホワイトハーストは、ウェブ上の日記で自らが脳腫瘍に侵されていることを告白し、その治療と、自らのソロ・プロジェクトであるジュニア・サイエンス・クラブとしての音楽活動に専念するという理由から、バンドを脱退しました。 彼らの2枚目のアルバム「Elysium」が、日本で発売される直前の出来事でした。 その後、2年間に亘る長く苦しい闘病生活を経て、2006年の6月には全ての治療が終了。ファンからのリクエストを元に楽曲を作るという「The Very Tiny Songs」というプロジェクトを立ち上げ、本格的に音楽活動を再開させようとしていた矢先の7月、完治したと思われていたはずの癌が再発していることが判明しました。 彼の主治医曰く、このままでは余命も僅かだと言うことです。現在も、彼は病気と闘っています。

ザ・ヴェルヴェット・ティーンというバンドは、ローガンが自らの為に作った「A Special Gift To You」という楽曲を、ジュダがカヴァーしたことから始まりました。たった1曲から、全ての物語は始まったのです。 そして、この曲は彼らが初めて作ったアルバム「Out Of The Fierce Parade」の最初を飾る曲ともなりました。 私自身がそうであった様に、この曲に心を動かされて、彼らのファンになったという方も多いのではないでしょうか。そんな素敵な曲を作り出してくれたのが、ローガンだったのです。

自分は彼の為に何が出来るのだろう。そんなことを考えていた時、あるファンの方から「彼の為に千羽鶴を作りたい」というメッセージを頂きました。それは、とても素敵なアイデアのように感じられました。 中には「そんなことをしても意味はない」とか「金銭を送った方が現実的だ」などと考えられる方々がいらっしゃっても当然だと思います。でも、たった1曲が誰かの心を動かしたように、小さな祈りでもたくさん集まれば大きな力になるはずだと、私は思うのです。 そのアイデアは「千羽鶴プロジェクト」としてファンの方々の間に広がり、最終的には2,460羽もの折り鶴が集まりました。 9月に行われたザ・ヴェルヴェット・ティーンの来日公演の際には、慣れない手付きながら、ジュダも1羽の折り鶴を作ってくれました。 折り鶴を作って下さったエミさん、カズコさん、カツヤさん、カナコさん、キョウコさん、サトルさん、サナエさん、 ショウさん、チアキさん、チエミさん、トヲルさん、ハツエさん、ヒロタケさん、ヒロミさん、フミオさん、 マコトさん、ユウシュンさん、そしてザ・ヴェルヴェット・ティーンとローガン・ホワイトハーストを愛して下さっている皆様、 本当にどうもありがとうございます。

皆の願いが、海の向こうまで届きますように。


2006年11月15日、ローガンの誕生日によせて。

izumi(管理人)





2006年12月3日の午後、ローガン・ホワイトハーストは、カリフォルニア州ロス・バノスの自宅にて、静かに息を引き取りました。 前月に29歳の誕生日を迎えたばかりの、早過ぎる死でした。

彼は、ザ・ヴェルヴェット・ティーンとして、彼自身のソロ・プロジェクトであるジュニア・サイエンス・クラブとして、また画家として、数々の素晴らしい作品を、この世に遺してくれました。彼と彼の音楽を愛し、応援して下さった日本のファンの皆様、千羽鶴を折って下さった皆様、本当にどうもありがとうございました。 そして、これからもザ・ヴェルヴェット・ティーン同様、彼と彼の音楽を愛し続けて下さると嬉しく思います。

今まで、どうもありがとう。彼のご冥福を、心からお祈り申し上げます。


2006年12月05日

izumi(管理人)


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